ZabbixでDNSフェールオーバーを作ってみた(その1)
0.はじめに
Zabbixを使ったDNSフェールオーバーを紹介してみようと思う。
DNSフェールオーバーといえば、AWS Route53やAzure Traffic Managerがメジャーどころだと思うが、ZabbixのWeb監視を使って同じような仕組みが実現できる。
ZabbixのWeb監視を利用するメリットは以下の通り。
(1) DNSフェールオーバーの発動条件を詳細に定義できる。
(2) DNSフェールオーバー発動時に、メールやSNSといった通知と連動できる。
(3) DNSクエリ数によっては、Route 53やTraffic Managerより安い。
反面、デメリットとするとRoute 53やTraffic Mangerは、設定だけで複数の拠点(プロープ)からWebサーバーを監視してくれるが、ZabbixのWeb監視の場合、複数の拠点から監視するには、Zabbix APIを使う必要があり、ちょっと手間がかかる。
1.システム概要
(1) Zabbixを使ったDNSフェールオーバーは、下図の通り。
①通常時は、権威DNSが自社データセンターのWebサーバーのIPアドレスを返す。これにより、利用者は自社データセンターのWebサーバーにアクセスする。
②Zabbixが自社データセンターの障害を監視し、障害を検知したら、権威DNSのレコードを書き換える。
③レコード書き換え後、権威DNSは外部データセンターのSorryサーバのIPアドレスを返す。これにより、利用者は外部データセンターのSorryサーバにアクセスする。
(2) 使用したZabbixのバージョン
Zabbix 5.0(OSはCentOS)
次回以降で、具体的な設定手順を説明する。